2007年2月27日火曜日

It's a "WIRED" world

1998年11月号をもって休刊となったままの月刊誌"WIRED"。IT関連の最新情報をサブカルチャー視点から捉え、ガジェット、音楽、映像、ライフスタイルなど様々な分野のネタをポップな紙面で紹介する雑誌として、希有な存在だったと思います。GeekではあってもNerdではない雰囲気。

IT関連の記事が中心ながらそれだけにとどまらず、写真のウィリアム・ギブソン特集の他、クエイ
兄弟や、ダグラス・クープランド、ブライアン・イーノなどをフィーチャーした号もあり、私にとって隅々まで読み応えのある毎月の刊行日が待ち遠しい雑誌の一つでした。

最近ではOLPCでご活躍中のニコラス・ネグロポンテ氏がメディアラボ時代に提言した来るべき「ワイヤードな世界」をベースキーワードとして創 刊された(と記憶している)この雑誌。その当時は常時携行できる小型PCや常にオンラインな生活などまだまだ夢の話でしたが、今日ではある程度現実のものとなりつつあります。ネット版の"HotWired"も昨年から更新休止状態ですし、日本でのWIRED減速の経緯には、ITの日常生活への浸透が進み、それらのサブカルチャーたる独特のアングラなにおいが薄まって一般化してしまったこともあげられるのかもしれません。

そんなわけで、この手の情報を集約して知る手段がもう存在しないとわかったときは、後年ナップスターが駆逐されてしまったときと同様、強制的に後戻りさせられた不便さを痛感し、感慨深く窓辺に一人佇んだものです。

こんな寂しい現状の日本版とは無関係に米国のオリジナル版はまだまだ健在のようですし、できれば日本版にもいつの日か復刊してほしいものです。

2007年2月11日日曜日

"THX1138"的かつ"アイランド"ライクな "1984"ワールド

今回もYouTubeネタです。
1984年、当時のアップルコンピュータがマッキントッシュのプロモーションとしてスーパーボールのハーフタイムにたった一度(自称)だけ放送したと言われる伝説のCF「1984」。そのメイキング入りの動画を見つけましたので、ご興味のある方はどうぞ。最後にはきちんとフルバージョンの「1984」も見せてくれます。演出中のリドリー・スコット監督がチラッとではあるものの、映っておられます。映画「Pirates of Silicon Valley(邦題バトル・オブ・シリコンバレー:DVD国内未発売)のオープニングではジョブス氏御自ら撮影現場に出向いたことになっていますが、このビデオではそのお姿を識別することはできませんでした。
荒廃した「THX1138 4EB」的世界の映像は尺が短いことも相まってか、何度見ても見飽きません。





喜び勇んでさらに「レミングス」を探していたところ、代わりにHAL9000が登場するY2KキャンペーンのCFを発見しましたのでこちらも併せてお楽しみください。ここで描かれているのは状況からして木星へのミッションの序盤での発言と推測されます。そしてこの後ボーマン船長が自分よりマッキントッシュの方が好きなのだと思い詰めたHALが煮えたぎる嫉妬心から羽目を外してしまうのは、みなさんもご存じの通り。その罰としてシャットダウンされたあげくに硫黄まみれになりながら、木星とイオのラグランジュ点付近をこの先3年ほど漂うはめになるわけです。


肝心の「レミングス」が見つからないのは中国国内で『天安門』が自由にネット検索できない理由と同様、私の理解を超えた何らかの大きな力が働いているからなのかもしれません。

2007年2月9日金曜日

Solid State "Drive" Survivor

"SSD"というキーワードでネット検索をかけると「スーパースターデストロイヤー」(ベイダー卿が搭乗される我らが帝国軍の旗艦)が多数結果にあがる件はとりあえず置いておいて、いわゆるSSD(Solid State DiskもしくはDrive)の価格が次第に下がりつつあるようだという話題。

本日のEngadget Japaneseの記事にはAppleの次期iPodにSSDが搭載される可能性ありと報じられており、いよいよ一般消費者向けの普及に拍車がかかりそうな予感です。その昔iPod miniに搭載されている1インチHDDがそれ単体で購入するよりiPodごと買った方が安かったため、無惨にもHDDを抜き取られたiPod miniたちの抜け殻が巷に溢れかえったのは記憶に新しいところです。今回もSAMSUNGあたりから安価にOEM供給を受け相応の価格でiPodが販売されれば、同様の惨劇が繰り返されるかもしれません。
とはいうものの同HP1月12日の記事、「現在32GBで600ドルのOEM価格が来春には300ドルを切る可能性も」という意見を参考にすれば、128GBのSSDが2万円以下で手にはいるのはまだまだ先になりそうです。

前回のエントリで取り上げた工人舎のSA1Fはファンレス仕様、LEDバックライトを採用しており、唯一の回転体であるHDDをSSDに換装できれば、まさに正真正銘のソリッドステートPC化が可能。そうなれば、少し大きめ(所有者側視点)PDAライクなハードでフルスペックWindowsXPが動作中という満足感を人知れず密かにかなり怪しく楽しむことも夢物語ではありません。その他、ほとんど退役状態のThinkpad i1124や事実上のメインマシンDell inspiron 700mなども新たに生まれ変わると思うと小躍りしたくなる思いです。

アリジゴクはウスバカゲロウへ、ホバーパイルダーはジェットパイルダーへ、ワンスピンドルPCはソリッドステートPCへ、、、こんなごく自然な流れが当たり前に実現する世界が早く訪れることを願い結びとさせていただきます。

2007年2月2日金曜日

SONY VAIO VGN-UX90 → 工人舎 SA1F

外出先用のモバイルPCとして去年6月から愛用していたVAIO Type-Uを手放すことにしました。苦渋の決断に至ったのはキーボードの操作性にどうしても慣れることができなかったのが主因。同機最大の特徴であるスライド式親指キーボードに馴染めなかったのは、ひとえに私の努力が足りなかったことは明らかなのでこれ以上は申しませんが、思い起こせば前後に搭載されたカメラやFeliCaポート、MemoryStickスロットなども試用と誤って指が当たった時以外は使わなかったような気がします。画面のサイズもたとえ高精細技術で広表示領域を実現しても、実用的である小型化には限度があるなと痛感しました。これによって「いつかはOQO」といったいかにも不穏当な渇望も、私の場合はきれいさっぱり忘れ去ることができました。

Type-Uの後釜として新たにその座に着くことになったの
が工人舎のSA1F。Type-Uを下取りに出して購入した(それでお釣りがきた)ということから、一見すると「逆わらしべ長者」状態と思われる向きもあるかもしれませんが、あのままType-Uを使い続けることを考えると環境はかなり自分にフィットしたように思います。

ファーストインプレッションは価格と商品のバランスがとてもよくとれているということ、細部の作り込み、質感も期待以上ですし、OSの動作も思ったよりきびきびしています。各所でさんざん言われているように、キーボードは多少打ちづらい感があるものの、前述の機種遍歴を考慮い
ただければ私の場合は何も不満は感じていないことどころか、多少の取りこぼしタイプミスも笑顔で受け入れられるというのもご理解いただけるのではないでしょうか。まとめWikiを参考にレジストリ値を変更した後は、長文入力も充分に実用に耐えうるものとなりました。本ブログもSA1Fより投稿しています。

外観で気になった点は、
-本体背面のWindows Genuineシールがなぜかすり切れ、部分的に剥がれている
(どうやら仕様のようです)

-TFT左側のポインタの取り付けが中心からずれている(写真では見づらいかも)

-キーボード手前のタッチパッド用マウス左クリックボタンの反応が今ひとつ
-CFスロット内部に不可思議な突起(type2の挿入を阻止するため)があり、手持ちの通信カードが挿せなかったのですが、これはカッターで削って対処。
といったあたりでしょうか。まぁどれも使用に支障ない些細なものなのでこのまま使ってみようと思っています。

また、DVDの再生はGOMplayerやVLC_mediaplayerを使用すれば何とかOK。H.264などのmpeg4再生は少し試したところでは負荷が大き過ぎるようです。iTunesによるインターネットラジオ再生は問題ありません。Officeも問題なし。

使い方さえ割り切ればユビキタスな環境構築に重宝しそうですし、自分に対する「決して損していない」という暗示効果を差し引いても、よいトレードだったと思っています。
モニターを裏返して使えば、抜け毛が気になる現実と併せて脳内ピカード艦長も楽しめるし。

実際に使い込んでからの感想は追ってレポートしていきます。

2007年2月1日木曜日

トリプタン≒タオル

ここ10年ほど、何となく頭痛が多いなとは感じつつもそれなりにやり過ごしていました。ところが少し前、一週間以上に渡り連続的な頭痛に悩まされた事象をもって、自らの片頭痛を明確に認識するに至り、病院に通うこととしました。
そこで処方していただいたのがこれ。トリプタン系製剤のイミグランという錠剤です。で、効果のほどはといいますと、これはもう劇的に楽になります。今までは我慢するか、痛みがひどいときは一般的なアスピリン系鎮痛解熱薬でごまかしてきましたが、これはそれらの薬とは効き方のレベルが違うような気がします。医学的な知識がないので専門的な解説は他にお任せするとして少しだけ突っ込んで説明すると、トリプタン系製剤は他の鎮痛剤とは違い片頭痛治療の為に開発された薬らしく、
脳の血管の拡張と周辺組織の炎症を抑える作用があるとのこと。新薬なのでまだまだ一錠1,000円(保険適用前)と結構な値段するとはいえ、背に腹は代えられずしばらくは手放せそうにありません。ダグラス・アダムスは「銀河ヒッチハイクガイド」のなかで宇宙を旅するのに忘れてはならないものはタオルだと言っていますが、私が地球を去るときにまず掴むのはこちらになりそうです。

ちなみに私の場合の片頭痛の症状は以下のような感じです。
-緊張状態からリラックスした時に起きやすい⇒脳の血管が拡張しやすい
-上記の理由にから、休日、お酒を飲んだ時に起きやすい
-睡眠時間が長すぎても短すぎても起きやすい
-生あくびがでる、目の奥が痛い
-脈拍にあわせてずきんずきん痛む
-ひどくなるとものを考えたり目を動かしただけでもつらくなる
-同時に首から肩にかけてのコリや胸のむかつきを伴う
トリプタン製剤は今のところ医師の処方箋なしでは入手できませんので、症状が類似している方は一度相談されてはいかがでしょうか。

特定の症状にピンポイントで確実な効果を発揮する新しい医薬品にふれるたび、未来の到来を感じずにはいられません。

この薬があれば、あの鉄雄君の頭痛も少しは楽にしてあげられたかもしれない、そうすれば彼もヤケにならずに済んだのでは、、、と思うと胸が痛んで夜も眠れぬ思いです。〓